ピッコロについて

私はアマチュアオーケストラに入っています。

パートはフルートなのですが、ピッコロを吹くことが多いです。

今週末の曲(ヴェルディのレクイエム)でも、

正確には3rdフルート(+ピッコロ)なんですが、

5楽章にでてくる唯一のフルートアンサンブルの機会を、

アシスタント(1アシ)の方にあげてしまったんで、

やっぱりピッコロに専念することになりました…。

 

とうとう本番が今週末に近づいてきました。

 

ですが今になって、気づいてしまいました…。

自分のピッコロを買ってから約15年、

一度もオーバーホールに出したことがないことを・・・

いや、調整には出していたんですよ。

でも最近、中音域が鳴りにくい。

そして、鳴る時と鳴らない時の差が激しい。

鳴る時はよく鳴るんですが、鳴らない時は、

 

全く音が出ない・・・

 

フルートではあり得ないことです。

どんなにヘタでも、何らかの音が出ますが、

ピッコロでは全く音が出ないんです。。。

 

悪夢です。

練習で何度かそういうことが起こって、

そういう時は自分が風邪ひいていたり、体調が悪いことが多いので、

自分のせいだと思っていました。

 

フルートは歌口に息を吹き込んで音を出しますが、

唇と歌口の間には間隔があり、出す息の半分は逃げていきます。

ピッコロはフルートより歌口の穴も小さいので、

鳴るポイントもより狭く、ピンポイントなので、

体調が悪いと、それがまともに影響するんだろう、

と考えていました。

 

一旦そうなってしまうと、その日はもうリカバリ不能で、

ウンともスンとも言わなくなってしまうので、

もう恐怖です。。。

 

ただ練習の時、出なきゃならない時に、音がない、とあれっ?

となるんですが、幸か不幸かピッコロって、目立つ割りには、

 

あってもなくても大丈夫なんですよ・・・

 

いや、それはないでしょう?と思われるかもしれませんが、

本当に、なくても曲が止まるようなことはないんです。

大抵の場合、ピッコロはユニゾンで、他のパートと同じことをやっているので、

なくても大丈夫なんですね。寂しいことに。

ソロだって意外とありません。

だって、普通に吹いても目立つから、ソロにする必要もないんです。

だからあんまり重要なパートではないんですね…。

その証拠に、私はオーケストラで結構たくさんピッコロを吹きましたが、

一度もカーテンコールで立たせてもらったことはありません。

パート全体ではあっても、ピッコロとしてはなしです。

あんだけ目立ってもオーケストラの中では、大事じゃないってことです。

ただ、彩りや輝きを添える、スパイス的な役割か?

ないと寂しいけど、なかったらないで済んじゃうパート。

そう思うことで、私はプレッシャー回避しています。

あ、でも、本当に上手くないだけかな…(^_^;)

 

横道に逸れちゃいました。

体調が悪くて、音の出ない日がある。

そんな日が、以前は練習で年に1〜2回だったのが、

増えてきて、2〜3週間に1回くらいになってくると、

恐怖も増してきました。

もしかしてこれは老化現象なのか・・・?

練習だからまだいいけど、これがもし本番だったら?

そう思うと、本当にそれが夢に出てきたり、

精神的ストレスで余計に音が出なくなったりしました。

そのたびに、「ピッコロは大事じゃないから全然大丈夫」

と自分に言い聞かせたりして。

 

悩んだ末、ムラマツフルートフェアの

ワンポイントレッスンで、先生にお伺いしました。

先生は、フルートの音の出る仕組みを解説してくださいました。

「出ない時に、歌口に息を入れようとすると、逆効果」

そうであったか!

確かに逆に逃した方が、音は当たるようです。

聞いてよかった。。。

 

でもその時行われていた調整会には、

予約が殺到して申し込めませんでした。

「まぁ、いいか、次回で。」

私は、フルートのオーバーホールの方で頭がいっぱいでした。

前回のオーバーホールから10年だから、そろそろやらないと・・・

で、ピッコロについては忘れていたのです。

 

長くなりました。

調整にもしょっちゅう出していればいいのでしょうが、

フルートとピッコロの両方なので、

安い機会を狙っているうち、ピッコロを出しそびれ、

やっぱり調子が悪いので、安心のために本番前に見ていただこうと、

近くのスガナミ楽器さんへ急遽持ち込みました。

 

調整師さん、一目見るなり、

「よくこんな状態で吹けますね〜。タンポがぺちゃんこで硬くなっています。

破れてるところもあるし、オーバーホールしたことないんですか?」

 

が〜ん!そうだったの・・・

ピッコロもオーバーホールしなきゃならなかったんだ。

当たり前か。

 

「ピッコロのオーバーホールは、5年位ごとが理想です」

ええっ!?

私は買ってから15年もやってなかった・・・

ごめんね、ピッコロちゃん。忘れていたわ。

本当におバカですね。

 

気付いてよかった。

でも、オーバーホールには2週間以上かかるそうで、

本番にはもう間に合わない・・・

このままなんとかごまかして乗り切るしかないか?

でもリスクが…

 

えっ?

f:id:shallrun:20190219022007j:plain

上は私のバーカート、下は団所有のハンミッヒ。

団所有のピッコロ。

2年前にオーバーホール済みとのこと。

パート内から、試してよかったら、

本番は好きな方使ってもいいんじゃない?と

ご提案いただきました。


ありがたく、早速吹きくらべました。

 
団のハンミッヒは、軽くて明るい音色。
まんべんなくよく鳴り、特に高音域が際立ちました。
 
対して私のバーカートは、
鳴っている手応えが心地よく木に伝わり、
特に中低音の音色が良いです。
 
 
両方吹いた結果、
団のハンミッヒは、鳴りやすくて楽だけど、
レクイエムには、あまり軽くない方がいいのでは?
 
 
質感を重視するなら、やっぱり自分のバーカートか?
でもオーバーホールしてない分、
音が出なかったり、外したりのリスクがあるし…
 
結局どっちがいいのか、悩んでいます。
ヴェルディは、ピッコロの最低音から最高音まであり、
またppでも目立つソロや、ffで叫ぶユニゾンもあって、
いろんなシーンに対応するためには、
 
やっぱり持ち替えるしかない!?
 
ピッコロを。
 
フルートの持ち替えは回避したのに、
ピッコロの持ち替えなんて、
前代未聞!!
 
そもそも、ピッコロの違いについてわかる人っているのか?
私にとっては大問題ですが、
聴いている人には、どっちでもいいことでしょうね。
 
もう、心配する暇があったら、練習しないと…
演奏会、無事に終わりますように!